外苑前 AQUAVIT NEXT DINING 1日目


古田 諭史シェフ、,横山 真治シェフ,高森 修各氏による、Next Diningというイベントがアクアヴィット(外苑前)であった。ここで最初から気を引いたのは、メートル・ドテルという仕事。自分が給仕長の存在を意識したのは、オー・ミラドーからだろうか。目の前で鳩をいろいろ調理してくれていた。それ以外は(話も出てきていたが)料理人の存在が大きくクローズアップされて、サービス側がホールを積極的に作るレストラン一般で少ないとおもう。

入場するとバースペースでまずシャンパンにフルーツを落としていただく。キウイ、ストロベリー、あとなんだっけ(苦笑)それにアミューズでキウイ・たらにヨーグルトまたはベリー系のジャムのようなものを載せたものをおいただく。普段行くようなワイン会では合わなそうな人たちの雰囲気だった。

しばらくするとテーブルごとに名前を呼ばれて通される。奥のスペースは天井が高く広い。テーブルの間隔も余裕がありゆったりとした場所だった。

以下、料理の写真と料理名など。


アミューズ
オイスターリーフと広島県産藻塩の海水ジュレ
グラブラックスと蒸雲丹の瞬間スモーク
クイーンズランドナッツ添え

グラスを上げるとスモークがすごい香ばしくおいしい気持ちが盛り上がる。。サービス泣かせのひと品じゃないかなぁと勝手に思う。クイーンズランドナッツは、マカダミアンだそうだ。オイスターのほうは可愛い牡蠣の上にジュレがのっている。これはちゅるりと食べればよかったかな。


<横山 真治>


前菜<古田 諭史>
井深さんの有機野菜とエメンタールチーズのサラダ

2011 Sauvignon Blanc, Amisfield, Central Otago, New Zealand

普段のコースではサラダ、としてでてきたかなぁとおもったら、鴨の付け合せになっていた。今回はたっぷりと野菜を提供。10-20種くらいの、主に新芽で構成されたものだそうな。エグい野菜というわけではないが、味にインパクトが有り美味しい。周りにかけられているのがチーズを溶かしたもの。



スープ<横山 真治>
エルダーフラワーの香る冬トマトのコンソメ
赤ワインでマリネした蝦夷鹿の生ハム
真空圧した青林檎とシトラスのメレンゲのアンサンブル

Cidre, Bolee d'Armorique, Brut

シードル、というのは面白かった。思った以上にこってりしたシードルだった。
ピンチョスになっているほうが自分にはインパクトが有った。見た目の印象と最後の一口に残るメレンゲの感触が面白い。切なくてもう一個食べたいが、一人一個まで。



フォアグラ料理<古田 諭史>
ダイエットしたフォアグラのロースト

2010 Chardonnay, Newton, "Unfiltered", Napa, California (樽な香りとフォアグラを。)

うまい、とシェフが宣言していたフォアグラ。ダイエットと書いてあるのは血を抜いて牛乳で油やら抜いてややあっさりとした食感にしたもの。すぐに食べてくれたかどうか気をもんでいたといっていたが、おいしくいただきました。



魚料理<横山 真治>
ドーバー海峡のオマール海老と鮟鱇のシヴェ
王様が愛した珍味 白鱒の卵 ロイロム

2007 E. Guigal Côte-Rôtie "Brune et Blonde"

ロイロムは?とおもったらちょぼっとオレンジの、おろしのような雰囲気だった。パクパクとたべてしまいあっというまになくなった。どんな感じといわれてもおいしいプチプチとしか思い出せない・・・圧巻だったのは、エビにコート・ロティを合わせに行ったこと。2日前から栓を開けていたそうだ。
最初はやや鉛筆ぽかったが、それがシラーらしい紫な味わい。しっとりとしているが余韻はやや短くどんどん飲める。危険なワインだ。


肉料理<古田 諭史>
ルーアン鴨のロースト 鳴門金時とラールフュメ

2001 Chambolle-Musigny 1er Cru "Les Charmes" Domaine Christian CLERGET

皮目にわさびを塗っていただく。うまい。ルーアンガモは窒息鴨でも有名だが236回転!させるするそうだ、が何をだ?肝心なことを聞いていなかった気がした。なおルーアン鴨は家禽で交配されて肉も大きめらしいことが、どこかのWebに書いてあった。シャランとは形も違うらしい。かもにブルゴーニュはうまい。


プレデザート<古田 諭史>
炭のグラス

Oban 14yrs, Single Malt Scotch Whisky

こちらは定番・器も運んだのか?とおもった。


デザート<横山 真治>
ノルディックモダンアップルパイ

これは面白かった。真ん中の器にパイとアイスをほおりこんでシャクシャクと混ぜあわせて食べる。混ぜる感触と音、すこしづつたちのぼるパイ生地の香ばしさがおいしい。もちろん食べて美味しい。

左下はセモリナ粉のパン。


メートル・ドテルの動きとか目配りやサーブの様子はすごかった。大きな組織のサービスというのは大概訓練された軍隊風になりがちなんだけど、何かに従っている様子は微塵も見えず、ゆったりとすばやくでも見えないメリハリがあるような、見ていて気持ちの良いサービスをされていた。知らない所で大変な研鑽を積まれたのだろう。圧倒的なサービスレベルというのは、業界や場面が違えど嬉しい。サービス提供者自体がもっと評価されてもいいと、強く思う。


サイト:http://www.aquavit-japan.com/info/news_detail.html#201301218champagn