横須賀美術館 国吉康雄展と谷内六郎館


なんといいところにたっている美術館なんだろう。
その分駅からは遠い(京急馬堀海岸駅から海沿いを歩いてだいたい4kmくらい)。

海や房総半島、東京湾を行き交う船を見ながら小一時間ほどするとつく。洗練された建物や芝生、周りの環境との一体感のバランスは、金沢21世紀美術館を思い出す。中のレストランもおいしい。晴れの日のテラス席は格別。


谷内六郎館もいってみた。展示されていたのは80年の表紙シリーズ。亡くなる前のとしだろうか。谷内六郎作品は自由にいろいろなものを解釈したり組み合わせて見ていて楽しい。細かいところまでよく描きこまれているし発想もなかなか見所がある。これは相当ストーリーもありそうなきもするのだが、今回見る限り週刊新潮の裏書以外の情報は特になかった。美術アドバイザー料(月額228700円・総額3000万円)、横須賀市が遺族にたいして支払っていたようだが、単に作品の寄贈をうけたかわりの代償だったのかどうか、そのあたりはあまりよくわからない。

ただ、個人的には谷内六郎館の作りや展示に添えられる解説はやや不満が残ってはいる。カレンダー区切りで季節感できりとってもいいだろうし、夏っぽいものだけ集めて展示もできるだろう。もっと時代背景も欲しかった。あの作品群は面白いしかわいらしいから昔の思い出に頼らずもっと色々な切り口で見せ方を工夫したらいろいろ見所満載だ。本館の方で、一気見展示したっていいとおもう。そのとき展示の方法や閲覧者への情報の出し方は工夫して欲しいなどなど。文化村でみた、ブリューゲル展やオディロン・ルドン展のような、展示側の愛情を感じるような厚みが欲しい。

<参考になりそうなサイト>
谷内六郎 オフィシャルサイト跡地:http://www.vesta.dti.ne.jp/~totetote/
横須賀美術館x谷内六郎遺族問題 http://www.townnews.co.jp/0501/2010/05/28/50602.html

地味だけど見所のある展示だった。楳図かずおのような絵もあるかと思えば彼を象徴するような丸顔の人物がやタバコを吸わせた肖像画、それにアメリカの自然を描いたものなど。感じたことは風景では、アメリカを描いているはずなのに日本的に見えるし、日本のおみやげものなどは逆に日本人の感覚で描いたものから離れているように感じられる。色とか質感とか。何かに結びつけて解釈しようとすると何か欠ける感じがする。カタログはお得な800円。個別の絵の解説をするよりは、国吉自身にフォーカスを当てておりこの作りは斬新。多くても読み切れないので、この割りきった取組は好ましい。一般的なカタログは量が多いし専門てな内容が多いので隅々まで読むのは意外と大変。

動線はいまいちだったけど、ベネッセ一族による福武コレクションは岡山出身の画家を中心に集めたものだとか。いつだったか株主総会で絵画購入費を責められていた話を聞いたことがある。でも美術品はお金のあるところに集まるものなので、結果的にこうして見ることができて悪くないと思う。