[1999]Moët et Chandon Dom Pérignon

いわゆるドンペリ。日本では残念ながら、バブルやナンセンスなお金の使い方の象徴のようになってしまいよい印象を与えない。大変残念だけど、これは普通にうまかった。抜いたときにバターやパンのような香ばしい香りがたち、そそぐとフレッシュなリンゴや蜂蜜など、少し温度が上がるにつれてまたバタークッキーのような香りが戻ってくる。


 外層がのっぺりと張り付いており、王冠は切れに取れなかった。なんでだろうか。

 コルクはドンペリのフレーム。
色は緑がかった黄色で非常にクリア。泡が面白い。細い泡とおおつぶのあわが同時にわいてくる。大粒の泡がひとしきり過ぎると、いつものシャンパーニュらしい泡立ちに戻る。

ぶどうの品種はピノノワールとシャルドネのみ。 そのせいか、ふくよかにかんじる。

ドンペリとよばれるが、ドン・ピエール・ペリニョンという人らしい。ベネディクト派の修道士で、オーヴィレーヌ修道院の出納役になったかれは泡立つワインに気がついたといわれる。1668年から亡くなる1715年まで、この発泡ワインの品質向上に努めたといわれる。とくに彼の情熱は葡萄の栽培に傾けられたとか。なお、シャンパーニュが今の形式になったのは19世紀。産業革命で良質のグラス瓶が生産できるようになってからである。硝子の品質が不均一でかつ再発酵の仕組みが良く理解されていなかったためそれまでは多い時で10本中9本はわれていたという記録もあるそうだ。(参考:ヒュー・ジョンソン ワイン物語中 平凡社)

購入元:横浜CIAL信濃屋
購入価格:どこよりもやすかった。(12000円くらい?)
今回はおいしかったので良かったが、これで美味しくなかったら涙目。USからの流れもの。おそらくeconomic crunch の影響をもろ受けたのがこのビンテージなのだろう。輸入元がMoet Hennessy USA inc. になっている。ヘネシーもか、とかるく驚く。世の中、まとまりが出てくると意外性やら独自性が乏しくてつまらない。みんなちがってみんないい、の典型がワインの世界だと思うのです。

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